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強酸性土壌の山腹緑化工法について

森と緑の研究交流会発表事例

2003年1月23・24日、中部森林管理局名古屋分局主催で、「森と緑の研究交流会」が開かれました。中部地方の森林管理署や研究機関から10数件の発表があり、岐阜森林管理署庄川治山事業所の宗廣克徳主任からは、TG緑化工法による強酸性土壌の山腹緑化(施工:岐阜県協会員)についての発表がありました。
以下に、その概要をご紹介します。

強酸性土壌の山腹緑化工法について

(宗廣氏の発表要旨から一部掲載)

白山の火山灰を起源とする酸性土壌での緑化を検討するため、庄川治山事業所では緑化用草本による試験を行ってきたが、pH5未満では生育が悪く、pH3以下では発芽しないことが明らかとなった。
そこで、この強酸性土壌に対して、高次団粒の生育基盤を導入した緑化(TG緑化工法による樹林化)の試験施工を行い、実際の工事にも採用した。

試験施工地の概況
岐阜県大白川国有林内の治山工事資材運搬路、標高930m
年平均気温10.4度、平均降雨量2336mm、平均積雪深185cm
6〜8分勾配の切土法面、北〜北西向き
大白川岩屑流堆積物に覆われ、土壌は酸性が強い

上表の試験地にTG緑化工法により5cm厚さ相当の生育基盤を吹付け施工した。
導入植物は、ヤマハンノキ・オオバヤシャブシ・メドハギ・ススキ等で、播種による樹林化をめざした。

施工後 年の植生調査の結果、導入種のヤマハンノキ・オオバヤシャブシが2〜3mに成長し、その下にヤマアジサイ・ミズメ・ノリウツギ・ヒノキ・カツラの侵入が確認された。1m四方の調査枠外には、ブナ・ダケカンバ・ヤナギ・カエデなどの侵入種もみられた。
草本類では、導入種のメドハギ・ススキ、侵入種のフキ・シダ類がみられた。

土壌断面調査の結果、植物の根系は地表から15cmの深さまで発達していた。それ以深(pH3)にはほとんどみられなかった。土壌断面の様子は以下のとおり。

地表〜5cm 落葉落枝 pH5.27
5〜10cm 生育基盤 pH4.26
10〜15cm 砂礫混じりの黄色土 pH3.85
15cm以下 黄〜灰色の細かい砂礫 pH3.0

まとめ

  1. 施工地は目標とした植生が回復しつつあり、多くの侵入植物が確認されたことから、TG緑化工法には一定の効果があると考える。

  2. pH3の強酸性土壌への根系の発達がなく、長期間植生の維持が可能か否か検証が必要。
    しかし、付近にはブナの高木が生育していることから、自然植生の根系の発達状況を調査し、植生の発達と土壌の関係等を調査する必要がある。

  3. 施工地付近にpH2.92の湧水があり、このような酸性水の影響を受けるところでは、植物の生育不良とラス金網の腐食の恐れがある。このため、湧水が多い箇所では、暗渠排水等の対策を講じる必要がある。


TG緑化工法の詳細は、こちらです。

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