大分県 自然復元+景観創造+維持管理費低減を融合させた複合緑化技術

茨城県SF工法協会 〈大分県SF緑化工法協会(株)大鐵 施工〉

九州メモリアルパーク(大分県日田郡天瀬町)が完成しました。
丘陵地帯に造成した墓地公園の自然復元、造形的な景観植生に加え、メンテナンス費用の低減という三位一体の調和した緑化です。
緑化だけではなく、複合技術を融合すること、相乗効果により機能性がアップしてコスト縮減になりました。
※茨城県SF工法協会が作成した資料および写真を全国SF緑化協会が編集して掲載しました。

§ 複合緑化技術について

樹林化ばかりではだめ。
ニーズに応えて、緑化に関連した分野を取り入れる。
最先端の技術を組み合わせて、複合的、総合的に緑化を考える。
自分の場合、水・緑・循環の複合技術を提案している。
水の浄化、緑化、資源の再利用等を組み合わせた技術だ。

たとえば、最近の公園整備の場合、自然の改変量を少なくすることが求められる。
切盛の土工量を最小限にし、ビオトープを取入れたり、癒しのシステムを導入する。
水辺の浄化には水性植物や微生物を活用する。
公園内の舗装には、廃棄物の再利用が可能だ。
そして、緑化にはSF工法で。

緑の周りに様々な技術が必要とされていることに気づく。
社会は、総合的な緑の環境づくりを求めている。
総合的な環境デザインを設計するのだ。
初めは自分の専門分野から、そして次第に自分の領域を拡大していく。
すると、相乗効果でコスト縮減になり、市場がさらに広がる。

(茨城県SF工法協会 主席研究員 丹左京氏のインタビュー記事より抜粋)

 

§ 種子配合について

播種時期 : 平成15年9月〜平成16年10月

種子T型 国内種コマツナギ、メドハギ、トールフェスク矮性、バヒアグラス、ケンタッキーブルーグラス矮性 切土部
A=4759.46m2
種子V型 中国種コマツナギ、ヤマハギ、メドハギ、トールフェスク矮性、バヒアグラス、ケンタッキーブルーグラス矮性、センチピートグラス 盛土部
A=15266.97m2
種子W型 マント植栽、国内種コマツナギ、メドハギ、ヌルデ、ヤマハゼ、ヤブツバキ、アカメガシワ、ガマズミ、センチピートグラス、トールフェスク矮性、ケンタッキーブルーグラス矮性 盛土部 
A=494.40m2

§ 今後の推移

切土A2へ導入した木本類の成立本数は5本と少ないが、ヤマハギの生育高が約35cmとなっており、春季の降雨水不足の影響と考える。今後の生育状況を推察すると、まばらに木本類が確認できる箇所もブッシュ状を呈し、ヤマハギ・コマツナギなどの木本類がさらに成長し、約3mとなることが予測できる。

周囲に自生している、カヤ、エノコログサ、ヤマブドウ、オオアレチノギク、セイダカアワダチソウ等、野草の侵入が一部見られる。1年草の野草が繁茂してくる場合、被圧しない程度であれば除草等の処置をしなくとも翌年以降、野草は徐々に衰退していき、目標とする植物群落に移行していくものと考える。しかし、セイダカアワダチソウは多年生であり、多く繁茂すると播種した木本類を被圧することがあり、目標とする群落にならない場合があり、今後の侵入状況の追跡調査が必要である。

野草が侵入した原因として考えられるのは、表土からのこぼれ種や採取した水に混入、周囲から風や鳥により運ばれたこと等が推察できる。今後、セイタカアワダチソウ等の多年生の野草が繁茂した場合は、現場周辺を含め、目的の植物に悪影響がないよう速やかに除去する等のメンテナンスも必要である。

盛土法面Aの10月末施工した箇所には、基盤表面に約10本/m2の双葉が確認できた。植物が発芽するには、気温・空気・光・水分などが影響する。現状では、空気・日光・水分の条件は満たしているものの、発芽の適温としては20℃〜25℃が約2週間継続する必要がある。これから冬季の冷温に向かうことから、発芽したものが凍上により枯死するものも生じるが、基盤にはまだ休眠している数多くの種子が存在することから、来春5月以降に発芽が期待でき、来年の秋には樹林へ遷移していくものと考える。

一部裸地部の箇所もあるが、無亀裂の硬岩への植生は無理としても、本工事の種子配合は低木林型の配合であり、木本を生育させるためには適当な空間が必要である。草本植物の播種量は、最小限に抑えていることから、裸地にみえる箇所が出現しているが、木本類が順調に発芽成長しており来秋以降には均一な植生となることが推察できる。

一般に播種された植生が、成果物としての植物群落の様相を整えるのは、草本類で2年、木本類で3〜5年程度とされている。目標とする植物群落が成立するかどうかを施工後の短期間で見極めることは非常に困難なことであり、判定を間違うと取り返しのつかない結果になることがある。

今回の調査結果では、木本類が確実に生育しており、今後の発芽成長は期待できる。





写真1

どこから見ても、墓石がきれいに並んでいる。


写真2

管理棟前の駐車場法面


写真3


写真4

植生調査の概要
2004.11撮影

切土法面A(1〜3)

2004.4施工、TG緑化工法4cm厚、種子T型
A1・A3は主構成種のコマツナギとメドハギ、トールフェスク矮性等、全体的にバランスよく順調に生育していた。施工時期が5月の適期であることから吹付基盤の水分・空気・適気温等、植物の発芽成長に良好な条件が整った結果と考える。

A2は、メドハギが優勢で木本類が若干、他工区よりも成立本数5本と少なく、生育高さも低かった。地山の土質は同じであることから施工時期による影響と考える。

A3は無亀裂の硬質岩が露出し、セイダカアワダチソウが約1本/100m2侵入していた。A1には数本/100m2のカヤが侵入していた。




写真5

切土法面B(1〜3)
2003.11施工、TG緑化工法4cm厚、種子T型
B1・B2は適度な裸地部もあり、成立本数13本・14本で、B3よりもコマツナギが少ないが、均一に成立生長していた。

B3は、メドハギとコマツナギがブッシュ状を呈し、密集傾向にあった。今後は淘汰されてコマツナギの群落を呈することが推測できる。一部にセイダカアワダチソウが20本程侵入していた。


写真6

切土法面B3 生育高 草本類95cm


写真7

切土法面C(1〜3)
2003.9施工、TG緑化工法4cm厚、種子T型
C1の遠景は裸地に見える箇所が多いが、近づいて観察するとコマツナギの木本類が成立本数4本、生育高45cmと低いものの成立していた。春季の乾燥による影響から発芽・成長が遅れたものと推測する。

C2・C3は成立本数11〜12本/m2、生育高85〜90cmと良好であった。


写真8

盛土法面A(1〜3)
2004.4、TG緑化工法3cm厚、種子V型
急勾配の法面(1:0.6〜1:1.0)とA1・A2・A3の全域がコマツナギ、ヤマハギ等の木本類の生育が旺盛で、生育高さは約1〜1.5m、成立本数29〜53本/m2、ブッシュ状に生育していた。

地山の土壌が土砂であることから、岩盤などに比し水分保持力も確保でき、植物の成長に良好な環境条件が整い寄与したと考える。

10月末の施工箇所の基盤も安定しており、表面に約10本/m2の木本類の双葉が確認できた。


写真9

盛土法面B(1〜3)
平成15年9月施工、TG緑化工法3cm厚、種子V型
全域で木本類が成立本数11〜12本/m2、生育高100〜140cmと良好であった。主構成種コマツナギ、ヤマハギが主で、侵入の野草もなくバランスよく、全体がブッシュ状の目標群落を呈していた。


写真10

盛土法面C(1〜3)
2004.4施工、TG緑化工法3cm厚、種子V型
特にヤマハギが優勢で、主構成種のヤマハギ、コマツナギが成立本数31〜38本/m2、生育高110〜160cmで全体を覆っており、下部にはメドハギ、トールフェスク矮性などが地表を覆って、目標とする群落を形成していた。


写真11

盛土法面C1 生育高 木本類110cm


写真12

盛土法面D(1〜3)
2004.4施工、TG緑化工法3cm厚、種子V型
木本の生育高は95〜170cm、成立本数32〜54本/m2で、全域がヤマハギ、コマツナギ、メドハギの生育が旺盛で、特にヤマハギが優勢であった。



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